萩は焼き抜き蒲鉾発祥の地です。
「焼抜蒲鉾」とは近海で漁獲された新鮮な生魚を主原料にして作られます。
昔はすり潰したエソ肉を水晒しせずに塩を加えてらい潰し、松板に盛り付け、樫の極上炭火で板面をゆっくりと焼き上げた後、反転して表面を急速に焼き上げる、という特殊な加熱法で作られたそうです。
この製法が「焼抜」と呼ばれるゆえんであります。
最初の加熱によって「坐り」がおこり、次の加熱で「あし」の強い蒲鉾ができると言い、微妙な火加減と、まんべんなく焼き上げるタイミングは高等技術を要し、一種の職人芸であったと言われます。
古老の話では蒸し蒲鉾、デンプンの入った蒲鉾は、蒲鉾の部類に入れないとさえ言われた時代もあり、焼抜蒲鉾の製造にはプライドを持っていたと言われます。
板がほどよく焦げ、香味を一層引き立て、適当な弾力と独特の風味を備えたのが山口産焼抜蒲鉾の特徴です。
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